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A3.5 付録 C: Gitのコマンド - プロジェクトの共有とアップデート

プロジェクトの共有とアップデート

Gitにおいて、ネットワークにアクセスするコマンドはそれほど多くありません。ほぼ全てのコマンドはローカル・データベース上で動作します。成果物を共有したり、他の場所から変更点をプルする準備ができたら、リモートリポジトリを扱うほんの一握りのコマンドを使います。

git fetch

git fetch コマンドは、リモートリポジトリと通信し、そのリポジトリにあって現在のリポジトリにない情報を全て取得します。またその上で、取得した情報をローカル・データベースへ保存します。

このコマンドを最初に見たのは リモートからのフェッチ、そしてプル でした。続いて、その使用例を リモートブランチ で見てきました。

プロジェクトへの貢献 では、例のいくつかでこのコマンドを使用しました。

プルリクエストの参照 では、デフォルトの範囲の外側から、特定の単一の参照を取得するのにこのコマンドを使用しました。また、 バンドルファイルの作成 では、バンドルからフェッチする方法を見てきました。

Refspec では、 git fetch にデフォルトとは少し違った動きをさせるために、高度にカスタマイズされたrefspecをセットアップしました。

git pull

git pull コマンドは、基本的には git fetch コマンドと git merge コマンドの組み合わせです。Gitは指定したリモートからフェッチを行い、続けて現在のブランチへそれをマージするよう試みます。

リモートからのフェッチ、そしてプル では、このコマンドについて簡単に紹介しました。 リモートの調査 では、このコマンドを実行した場合に何がマージされるのかを見る方法を示しました。

リベースした場合のリベース では、リベースの際の問題に対する支援としてこのコマンドを使用する方法を見てきました。

リモートブランチのチェックアウト では、このコマンドにURLを指定して、一回限りのやり方で変更点をプルする方法を示しました。

最後に、コミットへの署名 では、このコマンドに --verify-signatures オプションを使用して、pullの対象のコミットがGPGで署名されていることを検証できることに、ごく簡単に言及しました。

git push

git push コマンドは、他のリポジトリと通信し、自分のローカル・データベースにあって通信先のリポジトリにないものは何かを計算した上で、差分を通信先のリポジトリへプッシュします。このコマンドは、通信先のリポジトリへの書き込みアクセスを必要とするので、通常は何らかの形で認証が行われます。

最初に git push コマンドについて見たのは リモートへのプッシュ でした。ここでは、ブランチをリモートリポジトリへプッシュする基本に触れました。プッシュ では、特定のブランチをプッシュする方法について少し詳細に見てきました。 追跡ブランチ では、自動的にプッシュをするために、追跡ブランチを設定する方法を見てきました。リモートブランチの削除 では、git push でサーバ上のブランチを削除するために、`--delete`フラグを使用しました。

プロジェクトへの貢献 では、全体を通して、複数のリモートとブランチ上の成果物を共有する際の git push を使用した例をいくつか見てきました。

タグの共有 では、 --tags オプションで作成したタグを共有するためにこのコマンドを使用する方法を見てきました。

サブモジュールに加えた変更の公開 では、サブモジュールのサブプロジェクトをプッシュする前に、--recurse-submodules オプションを使用して、サブモジュールの成果物が全て公開されているかをチェックしました。これは、サブモジュールを使用している場合に非常に役立ちます。

その他のクライアントフック では、 pre-push フックについて簡単に述べました。これは、プッシュが完了する前に実行するよう設定できるスクリプトで、プッシュしてよいかを検査します。

最後に、 refspecへのプッシュ では、普段使用されるショートカットの代わりに、完全なrefspecを使用したプッシュを見てきました。これは、共有したい成果物を厳密に指定する際の助けになります。

git remote

git remote コマンドは、リモートリポジトリの記録を管理するツールです。このコマンドでは、長いURLを毎回タイプしなくて済むように、URLの短縮形(例えば “origin” )を保存できます。短縮形は複数持つことができます。 git remote コマンドは、短縮形の追加、変更、削除に使用されます。

このコマンドは、短縮形の一覧表示、追加、削除、リネームなどを含め、 リモートでの作業 で詳しく取り上げられています。

また、それ以降のほぼすべての章でもこのコマンドは使用されていますが、そこでは常に標準的な git remote add <name> <url> の形式で使用されています。

git archive

git archive コマンドは、プロジェクトの特定のスナップショットのアーカイブファイルを作成するのに使用されます。

リリースの準備 では、git archive を使用して、プロジェクトの共有用のtarballを作成しました。

git submodule

git submodule コマンドは、通常のリポジトリ内で、外部のリポジトリを管理するのに使用されます。外部リポジトリの内容は、ライブラリだったり、その他の共有リソースだったりします。 submodule コマンドには、これらのリソースを管理するために、いくつかのサブコマンド(addupdatesync など)があります。

このコマンドについて言及しているのは サブモジュール だけです。この節だけで、このコマンドのすべてを取り上げています。

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